平均50分から60分。じっくりまわるなら90分程度。
岡山城とは
岡山城は豊臣秀吉の家臣で、豊臣五大老の一人である宇喜多秀家が築城した城になります。
築城は豊臣秀吉の指導によるものといわれており、1597年に完成したといわれる天守閣の外壁が、黒い下見板張りを取りつけた漆黒の外観から、別名「烏城(うじょう(うはカラスの意味))」と呼ばれています。
岡山城は、全国的にもめずらしい不等辺五角形をした三層六階建ての天守を持つ威厳のある佇まいで、この天守は織田信長の安土城天守に似ているとされています。
天守、最上階からは眼下に旭川を望み、岡山後楽園と市街地を360度見渡せます。
完成からわずか3年後の1600年(慶長5年)、関ヶ原の戦いで西軍の主力をになった宇喜多秀家軍は壊滅し、戦後に秀家は八丈島へと流され、「戦国大名」宇喜多氏は滅びてしまいました。
その後城主となった小早川秀秋、池田氏により城と城下町は、さらに拡張され今に至ります。
築城当時の天守は1945(昭和20)年6月の空襲で焼失しましたが、現在のものは昭和41年に再建されました。
本丸内にある月見櫓は、国の重要文化財に指定されています。
2021年6月から2022年11月3日まで、岡山城で令和の大改修が行われ、城内のバリアフリー化や展示内容の刷新が行われました。

岡山城の見どころ
岡山城は城郭以外にも非常に興味深い場所がいくつかあります。
①鏡石(かがみいし)
本丸入り口あたりの石垣は、城主の威厳や権力をこじするため巨石が使われています。最大で高さ4.1m、幅3.4mの厚みのない板石を立てたものになります。池田家が城主になった頃に築かれたと考えられています。
②大納戸櫓跡(おおなんどやぐらあと)
本丸の大手を守る要となる三重四階建ての城内最大の櫓でした。現在、櫓は存在していません。
③鉄門(くろがねもん)
「くろがね」は鉄のことで、木の部分を鉄板でおおったいかめしい門だったためこの名になったといいます。下の段の南側から中の段の表書院(政治の場)へ通じる櫓門でした。現在、門は存在していません。
④土台になっている岩
元々あった岡山という名の丘の端にあたり、石垣はその堅い崖面に支えられています。ここでは、巨大な岩盤が露出しており、その形に沿うように、自然石を積み上げ、鈍角に隅部を形作っています。
⑤供腰掛(とものこしかけ)
岡山城に登城した藩士らの付き人が、主人の用事が済むまで待機する場所でした。現在は復元され、休憩スペースとして利用できます。
⑥関ヶ原以前1番高い石垣
宇喜多秀家が1597年までに築いた石垣で、加工していない自然石を用いています。隅部は岩盤の高まりに載っていますが、西寄りは石垣が3m近くも埋まっていて、本来の高さは15.6mもあります。関ヶ原合戦以前の石垣としては全国屈指の高さです。
⑦拡幅整備された石垣
宇喜多秀家が築いた石垣の隅部に、小早川秀秋が石垣を継ぎたして直線的に改修した跡が観察できます。秀家は安定性の高い大型の石材を積んでいる(左側)のに対し、秀秋は丸みの強い石材を積んでいます。
⑧六十一雁木門(ろくじゅういちがんぎもん)
城の裏手の旭側に通じる門です。雁木は階段のことで、元は61段あったことに由来する名といわれます。石段の下にはさらに櫓門があり城の守りを固めていました。
⑨天守台の形がわかる石垣
天守台は、宇喜多秀家が1597年までに築いた高さ14.9mの石垣です。自然の石を用い、平面が不等辺五角形をしているのが特徴です。この場所は、元々あった岡山という名の丘の端にあたり、石垣はその堅い崖面に支えられています。塩蔵下の石垣は、せり出してきた元の高石垣を補強する目的で江戸時代の1688~1703年に築かれました。丁寧に面を整えた石を横に積み、最上段の石は角を丸く加工しているのが特徴です。
⑩矢穴や刻印が残る石垣(やあな や こくいん が のこる いしがき)
石垣に使われている石の中には、石を切り出す際の「矢穴(やあな)」や「◯に+」や「L」形などの刻印を持つものがあります。この刻印は、石工らのサインといわれており、複数のグループが石積み作業に携わっていたことがわかります。
⑪廊下門と渡り廊下(ろうかもん と わたりろうか)
本丸の搦め手(裏手)にある櫓門で、門の上に敵を迎え撃つ上屋がありました。上屋は本段(城主の住居)と中の段(政治の場)を結ぶ城主専用の廊下としても使用されており、廊下門と呼ばれていました。1966年に再建されました。
⑫発掘調査で見つかった築城当時の石垣
発掘調査で見つかった宇喜多秀家が岡山城を築いた時の石垣です。江戸時代の初めに城を改造する時に、この石垣を埋め込んで「中の段」を北に大きく広げたため、地中に埋もれていました。今から400年あまり前の石垣で、自然の石をほとんど加工せずに用いるのが特徴。30年ほど後に積まれた中の段北側の現役の石垣が新式の割り石を使っているのと異なります。この施設は、石垣をまぢかに見据え、そうした城普請の時代的な発展の実態を体感していただくために、立入りができるようになっています。
⑬月見櫓(つきみやぐら)
本丸の裏・北西方向を守る櫓。1620年代に池田忠雄が築いた実物で、国の重要文化財に指定されています。城外側からみると二階建ですが、城内側からみると三階建で、一番下の階は土蔵となっています。城外側には、鉄板で覆われ下部に石落のある出窓があって、敵を監視、迎撃するための軍備を高めています。城内側では最上階に高欄と廻縁(手すりと縁側)があり、天井板も張られて、月見櫓の名のとおり風格を高めた造りです。戦国時代の終わりにあたり和戦両様の特徴を持った櫓といえるでしょう。月見櫓につながる北と西の石垣の最上段には、内側から鉄砲で狙い撃ちするためのすき間がくりぬかれた銃眼石があり、櫓と一体で軍備を高めていました。

⑭不明門(あかずのもん)
本段に上がる入口として防備を高めた大型の城門です。本段には藩主が暮らす御殿(江戸城でいう大奥)があり、限られた人しか入れませんでした。よってこの門は普段閉ざされ、それが名の起こりとなりました。江戸時代、藩主の移動は天守近くにあった渡り廊下で行われたといいます。この門は明治時代に取り壊されましたが、1966年に外観が再現されました。
また、春、夏、秋には岡山城天守とその周辺をライトアップした「烏城灯源郷」が開催され人気があります。
土ひねり体験で世界で一つのオリジナル備前焼を作ろう
岡山城がある烏城公園内には備前焼の工房も併設され、丸皿、角皿、箸置き、葉皿、小鉢、湯飲みの6種類の中から1つ選び作ることができる土ひねり体験が人気です。
所要時間は60分程度で、スタッフが丁寧に教えてくれるので、小さ子供から大人まで誰でも簡単に備前焼をつくることができます。1回1,250円(粘土500g)
岡山城グルメ、ショッピング
烏城カフェ
地元の食材をいかしたお食事やスイーツなどを楽しめます。
お土産ショップ「金烏城商店」
岡山城天守閣でしかかえない、限定オリジナル商品や岡山ならではの商品を各種取り揃えています。
アクセス
自動車
山陽自動車道岡山ICから約20分(8.1Km)
岡山駅から約10分(2.8Km)
※駐車場 烏城公園駐車場を利用
公共交通機関
路面電車
JR岡山駅から路面電車(東山行き)120円 約5分「城下」下車、徒歩約10分
バス
JR岡山駅から【18】藤原団地行き 140円 約15分「後楽園前」、徒歩約5分
基本情報
住所 | 〒700-0823 岡山県岡山市北区丸の内2-3-1 |
電話番号 | 086-225ー2096(岡山城天守閣) |
営業時間 | 9:00~17:00 (入場は17:00まで) ※イベント開催時は変更する場合があります。 |
定休日 | 12月29日~31日 ※荒天や点検などにより休館の場合あり。 |
駐車場 | なし 烏城公園駐車場を利用 普通車1時間300円(30分追加100円) 大型車1回830円(要予約) ※普通車のみ、岡山城天守閣入場者は駐車料金が150円割引になります。駐車券を岡山城天守閣受付にご提示ください。 |
料金 | 大人(高校生以上) 400円 小・中学生 100円 ※未就学児は無料 共通入場券 岡山後楽園 岡山城天守閣 720円 岡山後楽園 岡山城天守閣 林原美術館 1,120円 岡山後楽園 岡山城天守閣 夢二郷土美術館 1,360円 |
支払い方法 | クレジットカード VISA、Master、JCB、銀聯、DINERS、AMEX、DISCOVER 電子マネー 交通系ICカード、Edy、WAON、nanaco、iD、QUICPay QRコード決済 WeChatPay、ALIPAY、PayPay、d払い、楽天ペイ、Atone、ANAPay、auPay、EPOSPay、KPLUS、ギフティプレモPlus、銀行Pay、ファミペイ、pring、Payどん、メルペイ |
ネット購入 | アソビュー |
公式サイト | https://okayama-castle.jp/ (岡山城公式サイト) |
ロケ実績 | 映画「桃源郷ラビリンス~生々流転~」(2019年公開) |